2019.02.19

映画とコラボすることで企業の相乗効果が期待できる仕組み

1社の企業が話題作りのために広告を出す、その費用は…

雑誌でも数十万円から、テレビだと百万円単位の予算が必要です。
さらに広告代理店を挟めば、そのマージンも費用に乗せなければなりません。

しかしPRは、メディア側が「取り上げたい」と考えたものを記事にするので、
掲載料はかかりませんし、外部に依頼せずに自社だけで取り組むこともそれほど難しくありません。

さらに言えば、話題作りを1から立案することなく、
もともとリリースされる予定のコンテンツとコラボレーションすれば
双方に相乗効果が生まれ、話題性としての波及は高まるでしょう。

ここで、実際に企業の話題作りとして事例をご紹介します。

「翔んで埼玉」という漫画をご存知でしょうか?
実は私もひっそりと読んだことがあります。
(現在、埼玉県民ですので・・・(笑))


「パタリロ」の原作者 魔夜峰央さんが書いたのですが、この原作者もかつて所沢に住んでいたこともあり
この埼玉自虐漫画を作るきっかけになったようで、まさか、実写化するとは!と作者も驚いたとか

しかも、あの、GACKTも出演と2倍の驚き・・・。


2月22日に映画公開となりますが
この映画、埼玉県民にとっては辛辣な内容、という事が公開前から話題で、
出演者の二階堂ふみさんとブラザートムさん、武内監督らが
埼玉県庁に訪問し、上田知事に謝罪をしたという事が各メディアで取り上げられました。
tondesaitama
(Abema timesより)

埼玉県民はこの映画を作ったことを怒っているのでしょうか?

いえいえ、実はこの原作の漫画
売り上げが多い地域は、なんと「埼玉県」なのだそう。
自虐や悪ノリもポジティブに受け止め
県内の企業もここぞとばかりに、映画の話題性に連携した企画や
コラボ商品をリリースしているのです。

安楽亭の「豚で菜玉セット」は県内メインとした限定店舗のメニューで商品を売り出しており
SNSで投稿した人に抽選で賞品を贈るキャンペーンも好評

また、埼玉高速鉄道では記念乗車券1000枚を販売
スタンプラリーを展開中

テレビ埼玉のCMでおなじみの十万石まんじゅうでは
饅頭に映画名の焼き印を入れパッケージに映画のポスターを取り入れた

また、さいたま新都心では映画館に入る前に
映画で使われた出演者の衣装を展示
フォトスポットとしてPR拡散を狙っている

このように、1企業だけでは話題をひろめていく事は
なかなか難しいことでも、埼玉を話題にした映画という
コンテンツに県内の企業が連携し、
さらに複数の企業が参加し、取り上げていく事で、
話題を拡散する規模や速さが加速するのではないかと思います

また、各メディアが取り上げてくれるので、
広告宣伝に対する費用対効果は抜群。

このような地元を取り上げた漫画や映画を自治体と共に
PRすることで、地域企業の活性化に結び付く
娯楽文化と企業が手を取り合って、一緒に盛り上がっていく事が
お互いにwinwinになれるのではないでしょうか?

※ スタッフ水野の追記
実はとあるセミナーに参加した際、「アニ玉祭」を
主催している担当者とお話する機会がありました。
じつは、担当者さん、今年度の「アニ玉祭」に「翔んで埼玉」を
引き込んだコンテンツを考えていたそうです。
しかし、時期がどうしても合わず、企画はあえなく断念。
ところが、こうして埼玉県の自治体と県内企業と連携した
コラボレーションが水面下で進められていたんですね。
流石、話題性を逃さないところも埼玉県民性と言えるでしょう。 

株式会社Y-WAVE(ユーウエイブ)制作担当

水野 景子