2021.04.23

映像制作会社が教える 字幕・吹替え 映像翻訳制作のポイント!

映像翻訳は他の翻訳と何が違うのか?

コロナ禍に入って映像制作依頼で多くご相談頂くようになったのが
映像翻訳付きの制作依頼です。
弊社ではコロナ禍以前より、PR動画の海外向け対応を行ってきました。

既にお持ちの映像に翻訳を付けたいとご検討されている方
翻訳を自分でまたは、自社内で行って字幕映像を制作したいとお考えの方に
企業担当者様と私たち映像制作会社とのやり取りがスムーズに行くよう
「映像翻訳の違い」と「翻訳付き映像制作依頼のポイント」をまとめてみました。

翻訳の種類はざっくり3つあります。


ビジネス文書を翻訳する実務翻訳

例えば観光用パンフレット、官公庁などの公的機関の広報、企業向けの資料など、ビジネス書などの実務に関連する翻訳のことです。 多くの企業が翻訳会社に依頼するのが、この実務翻訳です。 多種多様の企業があるように、翻訳内容は非常に幅広く、また高度な専門知識を必要とします。 さまざまな翻訳物があります。 企業向けの場合、時として、その業界による専門用語や業界用語、比喩表現、文化的背景等も 必要とされることがあります。 また、ビジネス文書翻訳の中でも、難易度が高いのが、医療翻訳です。 医療知識を必要とするため、医療翻訳を専門に行う人を 「メディカル翻訳者」と言い、常に高い需要があります。

出版物を翻訳する文芸翻訳

ビジネス書も含めた書籍を翻訳化し出版されるものを言います。 依頼主のほとんどが出版会社ですが、この分野の翻訳には、翻訳スキルだけでなく 極めて高い日本語能力や読解力、 その作品が生まれた背景や環境、文化、政治にいたるまで、深い理解が求められます。

映像や音声を翻訳する映像翻訳

弊社が取り扱っている翻訳というのがこの映像翻訳の分野になります。 映像翻訳の対象は、TVのニュースや番組、ドラマや映画の字幕と 私たちが海外の情報や作品を視聴する際に目にするものです。 最近ではYoutubeなどインターネット配信動画が多くなり、需要が高まっています。 また企業でも海外向けにPR映像を発信する機会が増え、 英語だけでなく中国語や韓国語、スペイン語などの多言語対応を望まれる依頼が増加しています。 映像翻訳には、実務翻訳や文芸翻訳とは異なる表現や制約があります。 そのため、ほかの分野の翻訳者であっても、映像翻訳ができるわけではありません。 映像翻訳には、字幕翻訳、吹替翻訳、ボイスオーバーがあります。 【ボイスオーバーとは・・・ 原語音声を小音量で残しつつ、翻訳された音声を重ねる手法です。】               

映像翻訳が他の翻訳と違う4つのルール


ルール1. 「日本語の字幕翻訳なら1秒間に4文字以内で納める」

映像翻訳の字幕には文字数の制限があります。
人間の目が1秒間で読み取れるのが4文字、字幕付映画初期の頃
翻訳者が実験を重ねた結果、1秒間に4.5文字を観客たちが読み取れる事がわかり
余裕を持たせて、4文字に至ったそうです。

1行に入れられる文字数では
縦字幕なら1行あたり10~11字×2行で20~22字まで、
横字幕なら通常1行13~14字×2行の26~28字までが原則と言われています。
ただし、企業ビデオの場合、1秒間に5文字でも可能ともいわれていますが
その判断は制作会社によってまちまちです。
いずれにせよ、これ以上の文字になると、視聴者が映像の内容に集中することができず
文字を追うことで精一杯になってしまう事になります。

また、長い文章だと映像内容と時間の差が生まれ、
次のシーンになっても前の翻訳が残ってしまう、というような状態が起こります。

英語字幕の場合は、文字数が1行25~40文字と言われていますが
文字数の多い単語など、物理的に文章が長くなりがちです。
よって、翻訳の字幕を複数回画面に表示するといった方法を取ったりしますが
日本語字幕と同様2行以内に収めるのが限界で、
その際に、画面の左から右まで、びっちりと文字数を埋めると、
読みにくくなります。
1枚の文字翻訳の表示時間は最大6.5秒とも言われていますが
英語圏以外で英語字幕を見てもらう場合には
表示時間を少し長めにすることもあります。

ルール2.「句読点をつけない」

字数に制限があるので、句読点はつけません。
文を区切る時は、半角スペースや全角スペースで
文字のバランスをみて、読みやすい文章に仕上げます。

ルール3.「映像翻訳には訳注がつけられない」

文字数に制限があるので当然、訳注(訳に関する補足の説明や意訳した箇所の説明などを記載すること)
も付ける事が出来ません。日本にはない国の慣習や風俗、文化を日本語に置き換える事はかなり難しいことです
逆に日本では通じる内容が、海外にはない文化ということもあります。
そのため優れた読解力と高い日本語の表現力、といったスキルが必要となります。

ルール4.「吹替翻訳には演者の口の動き、話終わりに注意する」

吹替翻訳には文字数の制限はありませんが
演者の口の動きやセリフの長さに合わせて翻訳をする必要があります。

「自社で翻訳をして映像を制作したい」とお考えへの方へアドバイス

企業ビデオの制作では、「自社で翻訳します!」というお客様も多いです。

ですが、映像の翻訳には他の翻訳と違い
制約やルールがあるという事をお伝えしています。

また、映像と合わせて翻訳を載せるので
映像のタイムコードに合わせて、いつその字幕を表記するか?
といった情報も必要となります。

では、実際英語の字幕を作成するには
どのような作業が行われているかご紹介します。

字幕翻訳を作るには・・・

 

1.日本語台本の用意

 
翻訳する元の台本を用意します。
もし、無い場合は映像から聞き取り台本を作成します

2.タイムコード入りの映像を用意
 タイムコード

3.字幕を表示するタイミングを決める


字幕の始点と終点と表示する長さを決めます
ストップウオッチや字幕作成ソフトウェア、映像編集機材を使って行います。

    4.英語に翻訳する

    専門性の高い内容などは、整合性を見るため、文字数にこだわらず
    一度台本を忠実に翻訳します。
    テロップ翻訳がある場合も同様です。

    5.字幕訳作成

                            jimaku

    映像に合わせて文字数や文章のバランスを調整します。
    タイムコードから字幕翻訳の表示時間の始点・終点を入れた原稿を作成します。

    6.映像にのせます

    視聴者に合わせた表記・字幕やテロップが適正かどうかを映像上でチェックします。

    翻訳会社によって作業過程に多少の違いはあるものの
    大体、このような作業の流れで行っています。


    できれば、お客様から字幕翻訳をご提供頂く場合は、
    5の字幕訳作成原稿の
    ような状態でご提出頂くのが一番望ましいです。
    しかし、結構な労務を費やします。

    やはりお勧めとして

    映像翻訳については、映像翻訳専門の翻訳者を入れた方が
    結果的に手間や作業時間にとらわれず、精度の高い内容で
    翻訳付きの映像が制作出来ます。

    ただし、視聴者が社員に限定する、研修用や勉強会・成果発表会等
    社内視聴用に限定する映像翻訳の場合
    対外に使用するものではないので
    文字数のルールや制約より、文字情報を優先して載せたいという
    ケースもあります。
    そこはケースバイケースで柔軟に対応いたしますので
    ご相談ください。

    また翻訳者を入れた場合でも
    企業ビデオの場合、時に企業や業界の文化や専門用語を
    用いた翻訳が必要となる場合があります。
    その場合、お客様からのアドバイスや監修が必要となります。

    映像翻訳のメリット

    翻訳付きの映像を制作することで、
    コロナ禍で人の行き来が制限されても海外向けに情報を発信する事ができます。

    また字幕翻訳の場合、音声を出せない状況の中でも
    文字を追いかける事で映像の内容を理解する事が出来ます。

    例えば、スマートフォンやタブレットといったモバイル端末を使用して、
    電車内で喫茶店で気兼ねくなく視聴出来たりします。
    視聴機会が増え、視聴時間も長くなれば
    これは、大いにビジネスにつながるチャンスとも言えます。

    弊社では映像制作から翻訳までワンストップでサービスをご提供しています。
    外国人タレントの出演やナレーションといったお手配も可能です。