- BLOG
- 動画活用
- AI
採用動画制作ディレクターが語る「採用活動における動画の作り方と活用方法」シリーズ②
2020年からの新型コロナウイルス感染拡大は、企業の採用活動にも多大な影響をもたらしました。
対面での説明会や面接の実施ができなくなり、代わりにリモートでの活動が増えました。
そのような状況の中で、採用活動において動画を活用するようになった企業も多いのではないでしょうか。
しかし、動画活用の経験のある採用担当の方ならお分かりだと思いますが、
やみくもに動画をつくってみても、思うような効果が上がらないというのも事実です。
その理由について考えてみると、「思うような効果」が何なのかということが定まっていないケースが多いような気がします。
動画の効果とは、視聴者が、見終わった後、どのようなアクションを起こすかということです。
ということは、「思うような効果」を定めるためには、ターゲット(視聴者は誰か)、
見てもらう媒体・視聴形態(どのような場所、状況で視聴するか)、
目的(視聴後どうなってほしいか)、ということを事前に決めなければいけません。
これを考えずに作った動画では、そもそも効果を検証することさえできないのではないでしょうか。
そして、このターゲット、配信媒体・視聴形態、目的は、可能な限り具体的に定める必要があります。
例えば、「ターゲットは大学生、媒体はインターネット、目的はやる気のある学生に入社してもらうこと」ということでは、どうでしょうか。
これは動画活用の目的ではなく、採用活動そのものの目的です。
この設定では、動画の効果について分析することはできません。
それではどのように設定していくべきなのか、1つづつ見ていきましょう。
まずは、「ターゲット」です。
採用活動の場合、まず大きな括りとして、新卒採用か中途採用かによってターゲットは大きく分けられると思います。
大学生の新卒採用であれば、ターゲットは大学3年生や4年生または大学院生、ということに設定できると思います。
さらに募集している職種によって文系か理系か、どの学部かというところまで絞り込めるかもしれません。
また、中途採用であれば就業中の方か退職して求職中の方か、ということに分けられると思います。
どこまで細かく分けるべきかは、一概に言えないことではありますが、
私の経験上、最低限、新卒採用のための大学生向けのものか、
中途採用のための社会人向けのものかは決めたほうがいいと思っています。
どちらもターゲットのした動画は、どうしても伝えるべきメッセージがボケてきてしまいます。
続いて「配信媒体・視聴形態について」です。
これは、ターゲットにどういう状態で見てもらうか、ということです。
考えられるケースとしては、
「自社内で開催の会社説明会の会場において、集まった学生に見てもらう」
「自社のホームページに載せて見てもらう」
「YouTubeやInstagram、TikTok等のSNSで配信して見てもらう」などが考えられるとも思います。
その視聴状況に応じて動画のつくり方も大きく変わってきます。
どのくらいの尺(動画の長さ)がいいか、視聴する際、音声は流せるか、
テロップ(文字)をつける場合、どのくらいの大きさが適当か、など、視聴状況によって変わってきます。
最後に「目的について」です。
目的とは、視聴した後に、ターゲットにどのようになってほしいか、ということです。
「自社の存在を知ってほしい」
「自社のビジョンを知ってほしい」
「仕事内容を理解してほしい」
「就職先の候補として考えてほしい」
「説明会に参加してほしい」
「就職先として決断してほしい」などなど。
また、就職後のミスマッチを防ぐために逆視点の目的も考えられます。
「自分に合わない会社だと思ったら、候補から外してほしい」といった目的です。
この目的については、
採用活動のどのタイミングで使用する動画なのかということを考えると、見えてくるかもしれません。
以上のターゲット、配信媒体・視聴形態、目的を考えていくと、
その動画で何を伝えるべきかが定まってくると思います。
伝えるべき内容もいろいろ考えられます。
「会社のビジョン」「具体的な業務の内容」「どんな人たちが働いているか」「社内の雰囲気」
「福利厚生について」「教育・研修体制について」などなどです。
稀にこんなことがあります。
「新卒でも中途でもどちらでも使いたい」「説明会でも使いたいし、Instagramでも流したい」
「ビジョン、仕事内容、雰囲気、教育体制、福利厚生など全部盛り込んだ作品にしたい」
このようなご要望がクライアントから来るとき、
私たちは、ターゲット、配信媒体・視聴形態、目的をもっと絞り込んだ方がいい、というご提案をさせていただいています。
それは、それが絞り込めていない動画では、本当に伝えたいメッセージが、伝えるべきターゲットに届かないからです。
鈴木 康之
中学生時代より映画が好きで、映像に携わる仕事がしたいと思っていました。大学在学中に自主映画を作るようになり、自分の頭の中で描いた世界を形にしていくということの面白さを知りました。映像の仕事に就くということは、自分の中では当然の流れでした